コラム (業務用)

新規開業
【完全版】ジム開業までの11ステップ – 準備、手続き、収益予測まで徹底解説!

2024.4.9

フィットネス人気が高まる中、ジム開業を目指す方も増えていますが、開業までの道のりは決して簡単ではありません。
この記事では、ジム開業の全体像と開業プロセスの11ステップを徹底的に解説します。
事業計画の立案からマシン選定、開業手続きまで、成功に向けた具体的な手順とポイントを押さえていますので是非ご確認ください。

ジム開業を成功に導く11ステップとは

ジム開業の全体フローと11のステップ

ジム開業に向けた全体の流れは、以下の11ステップに大別することができます。

この記事では、それぞれの重要ステップについて、具体的な手順やポイントを解説していきます。計画的な事前準備から、実際の開業手続き、プロモーション、運営フェーズに至るまで、成功に向けたロードマップを体系立ててご紹介します。

人気の高まるフィットネス市場とジム開業のメリット

近年、健康志向の高まりから、国内のフィットネス人口は確実に増加しています。帝国データバンクの調査によればフィットネスクラブ・スポーツジムの市場は復調しており、前年比1割増で伸びている業界となっています。

しかし一方で、日本のフィットネス普及率は主要国に比べてまだ低い水準にあり、成長余地は大きいと言えるでしょう。
こうした市場環境の中、ジム開業には以下のようなメリットがあります。

継続的な会費収入が見込める安定した事業モデル

会員制のビジネスモデルにより、安定的かつ継続的な収益が見込めます。付帯サービスの提供で収益源の多様化も可能です。

健康ニーズの高まりから需要も拡大が見込まれる

健康意識の高まりとともにフィットネス需要が拡大しています。高齢化社会の進展で、ジム事業の潜在的な顧客層は広がっています。

適切な立地選定と運営ができれば参入障壁は低い

物件の確保や設備投資などの初期コストがかかりますが、運営に関する資格などが不要なため、参入障壁は比較的低いと言えます。

サービス差別化ができれば優位性が見込める

最新のトレーニングマシンの導入、充実したスタジオプログラム、専門性の高いトレーナー陣の配置など、競合他社にない独自の価値提供により、優位性を確立することが可能です。

一方で、事業の立ち上げには多くのステップを踏む必要があり、様々な側面から入念な準備が求められます。

ジム開業の際の費用目安

70坪以下の新規ジムの場合は以下の表の費用感が一つの目安となります。
実施する形態や選定するマシンによって費用感は変わってきますのでご了承ください。

坪数 30坪 50坪 70坪
コンセプト 総合型にも通常の小規模モデルにもないような尖ったモデル
一般的な小規模ジムの内容よりも他店との差別化した店舗であることが成功の必須条件 一般的な小規模ジム
+
スタジオ
必要設備 ・簡易フロント
・簡易更衣室(2)
・ロッカー棚
・顧客フロント
・顧易更衣室(2)
・ロッカー棚
・トイレ
・フロント
・顧易更衣室(4)
・ロッカー棚
・シャワー
・トイレ
必要マシン例 ・ジム(フリーウェイト、プレートロード) ・ジム(フリーウェイト、プレートロード)
・有酸素マシン(3~4台)
・ジム(ウェイトスタック、フリーウェイト)
・有酸素マシン(3~5台)
・スタジオ(10~14台)
月額売上 ¥1,200,000 ¥2,000,000 ¥3,300,000
目標会員数 240人 400人 660人
月間客単価 ¥5,000 ¥5,000 ¥5,000
初期費用 ¥12,500,000 ¥17,350,000 ¥26,300,000
マシン費用 ¥8,000,000 ¥10,000,000 ¥13,000,000
月間ランニングコスト ¥745,000 ¥1,120,000 ¥1,610,000

ジム開業の際に発生するイニシャルコストの中で、特に大きな割合を占めるのは以下の3つです。

  • 物件取得費(敷金、礼金、仲介手数料)
  • 内装工事費
  • マシン購入代金

これらの費用について正しい知識を持ち、綿密な計画を立てて検討しなければ、多額の投資を行ったにもかかわらず、事業が失敗に終わってしまう可能性があります。

弊社では、ジム開業を検討されるお客様に対して、まず商圏調査を実施し、目標会員数などを算出したうえで、最適な提案をさせていただいております。
また、事業再構築金以外の小規模助成金に関する情報もお伝えが可能ですのでまずはお問い合わせください。

ステップ1~3 ビジネスプランの作成

ステップ1.事業コンセプトとビジネスモデルの設計

ジム開業に向けて、まず重要なのが独自の事業コンセプトとビジネスモデルの設計です。
一般的に次の点を検討しましょう。

ターゲット層の設定(年齢層、性別、ニーズ等)

ジムのターゲット層を明確にすることは、効果的なマーケティングや施設設計に不可欠です。年齢層、性別、職業、家族構成、ライフスタイルなどを考慮し、ターゲットの嗜好やニーズを詳細に分析しましょう。例えば、子育て世代をターゲットにする場合、短時間でも効果的なワークアウトプログラムの提供などが求められます。

提供するサービスの種類(マシン、スタジオ、パーソナルなど)

ジムで提供するサービスは、ターゲット層のニーズに合わせて決定します。マシントレーニングやフリーウェイトのエリア、ヨガやダンスなどのスタジオプログラム、パーソナルトレーニングなど、多様なメニューを用意することで、幅広い会員のニーズに応えられます。

差別化ポイント(24時間営業、AIマシンなど)

競合他社との差別化を図るためには、ユニークな特長を打ち出すことが重要です。24時間営業、豊富な付帯サービス(ロッカー、シャワー、サウナなど)、最新のトレーニング機器の導入、無料Wi-Fiの提供など、ターゲット層に訴求するポイントを明確にしましょう。一般的ともいわれるサービスでも、出店地域に競合が少ない場合は差別化ポイントとなります。

収益モデル(月会費制、都度払い制、スポットプランなど)

ジムの収益モデルは、ターゲット層の特性や競合状況を踏まえて設計します。月会費制が一般的ですが、都度払い制やスポットプランなども用意することで、多様なニーズに対応できます。また、パーソナルトレーニングや各種プログラムの別料金設定、プロテイン等の物販など、副収入源の確保も重要です。収益モデルは、会員数や単価、利用頻度などを考慮し、採算性を十分に検討しましょう。

ブランディングコンセプト(ロゴ、内装デザイン、スタッフユニフォームなど)

ジムのブランディングは、ターゲット層にアピールし、差別化を図る上で重要な要素です。ロゴ、マシン、内装デザイン、スタッフユニフォーム、ウェブサイトなど、あらゆるタッチポイントで一貫したブランドイメージを構築しましょう。

ターゲット層や地域特性に合わせて、競合他社と差別化できるコンセプトを立案することが重要です。

ステップ2.開業に向けた事業計画書の策定

事業コンセプトに基づき、具体的な事業計画書を作成します。
計画書には以下のような項目を盛り込みます。

事業計画書のメモ
  • 概要(事業の目的、ビジョン、ミッション)
  • 販売計画(会員数目標、売上目標など)
  • 財務計画(開業費用の見積もり、損益分岐点、資金計画など)
  • 資金調達計画(自己資金、融資、投資家からの出資など)
  • マーケティング計画(広告宣伝の方法、プロモーション施策)
  • 運営計画(スタッフ体制、従業員教育、セキュリティ対策など)

計数的な根拠に基づいた実現可能な計画を立てることが大切です。
特に資金調達計画では、以下の点に留意しましょう。

資金調達のメモ
  • 必要な資金額の算出(開業費用、運転資金など)
  • 自己資金の範囲の確認
  • 不足分を補うための融資や投資の検討
  • 金融機関の選定と借入条件の交渉
  • 返済計画の策定

融資を受ける際は、事業の収益性と返済能力を金融機関にアピールする必要があります。事業計画書の内容を精査し、現実的な数字を示すことが重要です。また、日本政策金融公庫の新創業融資制度など、開業支援制度の活用も検討しましょう。

収支計画シミュレーションの作成

事業計画書の中に収支計画シミュレーションも入れておくことを推奨します。
どれくらいのコストがかかり、どれくらいで回収できるか(利益が出るか)の目安として「収支計画シミュレーション」を必ず作成しましょう。
作成に関しては無料でサポートをしておりますので是非お問い合わせください。

※上記は参考例です。(シート一部)
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・【無料】ジム経営・開業サポートフォーム

ステップ3.市場分析とマーケティング戦略の立案

開業する地域の市場環境や競合状況を徹底分析し、マーケティング戦略を立案します。

  • 地域の人口動態や世帯年収の調査
  • 同業他社の状況(料金、施設、サービス内容など)
  • ターゲット層の嗜好やニーズの把握
  • マーケティングミックス(広告宣伝、販売促進、会員獲得策など)の構築

事前の入念な市場分析を行い、効果的なプロモーション活動ができる戦略を立てることが不可欠です。
弊社では人口等の商圏データを元に、集客見込み数などの想定値を算出したうえでご提案させていただきます。

ステップ4~6 開業準備と設備投資

ステップ4.立地選定と物件探し

ジムの立地は事業成功の大きな鍵を握ります。以下の点を考慮し、入念な物件選定を行いましょう。

  • ターゲット層の生活圏内か
  • 交通の利便性(駅からの距離、駐車場の有無など)
  • 競合状況(近隣にジムがないか)
  • 賃料の適正水準
  • 広さ・間取り・設備状況
  • 空調設備や防音対策
  • 物件の構造(SRC/RC)
  • 24時間利用の可否

人通りの多い駅近や商業施設内が望ましく、できれば路面が見える明るい物件を選びましょう。

ステップ5.導入マシンや備品の選定

次に、マシンやその他の備品を選定します。種類と台数は事業コンセプトに合わせて決定しますが、以下の点にも留意が必要です。

メーカーと仕入れ先

マシン選定の際にはメーカーの信頼性と実績を重視するべきです。
弊社ジョンソンヘルステックジャパンは、世界シェアNo1のフィットネスマシンメーカーとして、高品質で革新的なMATRIXというブランドを主に提供しています。
主要パーツはすべて内製化、一気通貫で品質管理をしており、安全性と耐久性を担保した高い品質を誇ります。

マシンのアフターサポート

メンテナンスのしやすさとメーカーによる修理対応は、ジムの運営において重要な要素です。メーカーのサポート体制を確認し、迅速な対応が可能か確認しましょう。弊社では、設置からアフターサービスまで、トータルでサポートいたします。
以下ポイントも必ず確認しましょう。

メーカー選定(アフターサポート)のメモ
  • マシンの納品はメーカーエンジニアが行うか
  • 出店エリア付近にメンテナンス拠点があるか
  • パーツを在庫しており、迅速な対応が可能か
  • 簡単な修理に関してはパーツ購入のみという選択肢もあるか
  • 24時間365日メンテナンス受付をしているか

弊社は、上記ポイントをすべて抑えているうえに、48時間以内の初期対応、専門性の高い営業による提案、そして他社を圧倒する170ヶ所のサービス網による迅速なアフターフォローなど、充実したサポート体制も大きな強みとなっています。

安全性と耐久性

利用者の安全を最優先に考え、安全基準を満たしたマシンを選ぶ必要があります。耐久性の高いマシンは、長期的なコスト削減につながります。

特にランニングマシンなどは消耗品(ランニングベルト他)の劣化によって電子基板の破損に繋がる可能性が高いですので、注意が必要です。
弊社の営業は以前にエンジニアを経験した人員も多く、マシン関連の専門知識についての知見を活かしながら適切なご提案が可能です。

設置スペースとレイアウト

マシンの設置スペースを考慮し、レイアウトを適切に設計する必要があります。動線や安全性、利便性を考慮し、快適な運動環境を整えましょう。弊社では、ジムの規模や特性に応じたマシン構成とレイアウトをご提案いたします。


マシンは、ジムの顔とも言える存在であり、適切な種類と台数を揃え、安全で使いやすい環境を整備することが重要です。また、ロッカーやシャワー設備、更衣室なども徹底的に検討し、利用者の満足度を高めましょう。

弊社ジョンソンヘルステックジャパンは、ジムの価値を高め、競合他社との差別化を実現するための最適なパートナーです。ぜひ、弊社製品の導入をご検討ください。

ステップ6.クラウド管理システムの導入

ジム運営には顧客管理システムの導入が不可欠です。
以下の点で業務効率が大幅に改善されます。

  • 会員管理(入会、退会、会費徴収など)
  • 施設・スタッフ予約管理
  • 入退館管理とセキュリティ対策
  • 売上・経費の一元管理
  • ポイントやクーポン発行

導入するシステムは機能、料金、サポート体制などを比較検討し、運用負荷が軽く、コストパフォーマンスに優れたものを選びましょう。

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ステップ7~9 開業に向けた具体的な手続き

ステップ7.法的申請と許認可の取得

ジム開業にあたっては、各種の法的手続きが必要です。主な申請と許認可は以下の通りです。

法人設立(個人事業の場合は開業届)

法人設立の際は、定款作成、登記、税務署への届出等が必要です。個人事業の場合は、税務署への開業届の提出が必要です。
(参考: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5100.htm)

スポーツ施設の建築確認申請

ジムを新築する場合、建築基準法に基づく建築確認申請が必要です。既存の建物を利用する場合でも、用途変更等に伴う手続きが発生する場合があります。

保健所への届出(シャワー室やプールがある場合)

シャワー室やプールを設置する場合、公衆浴場法等に基づく保健所への届出が必要です。水質管理や衛生管理体制の整備も求められます。
(参考: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suido/index.html)

音楽著作権の処理(BGMを流す場合)

ジム内でBGMを流す場合、著作権法に基づくJASRACへの申請と使用料の支払いが必要です。利用する楽曲や面積等に応じて手続きが異なります。
(参考: https://www.jasrac.or.jp/users/facilities/index.html)

消防署への届出と消防設備の設置

消防法に基づき、消防用設備等の設置と消防署への届出が必要です。避難経路の確保や防火管理体制の整備も必須です。

看板設置の許可申請

ジムの看板を設置する際は、屋外広告物条例等に基づく申請が必要な場合があります。設置場所や大きさ等に応じて手続きが異なります。

健康増進施設認定の取得

ジムを「健康増進施設」として認定を受けることで、利用者の信頼獲得や他施設との差別化が図れます。自治体によって認定基準や申請方法が異なります。
(参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu/index_00002.html)

漏れのないよう、関連法規を確認し、必要な手続きを進めましょう。専門家に相談するのも有効です。

ステップ8.内装工事と備品の搬入設置

物件が決まったら、内装工事に入ります。ジムのコンセプトに合わせて、デザインや設備のプランを固めましょう。

  • 床や壁の材質選定(防音、衝撃吸収など)
  • 電気工事(コンセント増設、照明設置など)
  • 水回り工事(シャワー室、トイレ、洗面台など)
  • 空調設備工事
  • 塗装やクロス貼り

工事完了後、マシンや備品の搬入・設置を行います。レイアウトを工夫し、段差をなくすなど、安全性に十分配慮しましょう。

ステップ9.人員の確保と研修

開業に向けて、スタッフの確保と教育も重要なステップです。

  • 採用計画の策定
  • 求人広告の掲載
  • 面接と採用手続き
  • スタッフの配置と役割分担
  • 接客・販売マナーの研修
  • 安全管理とトラブル対応の研修
  • マシンの使い方や指導方法の研修

スタッフの質がサービスの質に直結するため、能力の高い人材を確保し、十分な教育を行うことが肝心です。外部講師を招くなど、専門的な研修の実施も検討しましょう。

ステップ10~11 グランドオープンと運営

ステップ10.プレオープンキャンペーンと広報活動

いよいよオープンが近づいてきたら、プレオープンキャンペーンを実施し、認知度向上と新規会員獲得を図ります。

  • ホームページやSNSでのPR
  • チラシやDMの配布
  • 内覧会やプレオープンイベントの開催
  • 入会特典や割引キャンペーンの実施
  • 提携先とのタイアップ企画
  • インフルエンサーを活用したPR

ターゲット層に効果的なチャネルを選択し、ジムの魅力を訴求するメッセージを発信しましょう。口コミの拡散も重要です。

ステップ11.グランドオープンと継続的な改善

プレオープン期間を経て、いよいよグランドオープンです。オープン後は以下の点に注力しましょう。

  • 会員満足度の向上
  • 口コミの獲得と管理
  • 継続的なマーケティング活動
  • スタッフの教育強化
  • 新プログラムや設備の導入
  • 会員データの分析と活用

会員フォローを徹底し、ニーズの変化を捉えながら、サービス品質を継続的に向上させることが重要です。定期的な会員アンケートやモニタリングを実施し、PDCAサイクルを回しましょう。

まとめ

ジム開業は、事業コンセプトの設計から運営まで多岐にわたるステップが必要です。綿密な事業計画の策定と着実な実行、会員満足度の向上とサービス品質の継続的な改善が成功の鍵となります。十分な準備と不断の努力で、地域に愛される施設を目指しましょう。

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