「ジムを開業する際にトレッドミルを設置したいがどのような機種がよいのかよくわからない」「自施設に合ったトレッドミルを購入したい」とお悩みの施設運営管理者の方に向けて、トレッドミルの特長・効果・選び方を解説します。
ターゲットに合った選び方とおすすめのトレッドミルも掲載していますので、この記事をお読みになると自施設に合ったトレッドミルを選べるようになります。
ぜひ最後までお読みください。
トレッドミル(ランニングマシン)とは
トレッドミルとは、屋内でランニングやウォーキングといった有酸素運動ができるマシンのことで「ランニングマシン」と呼ばれることもあります。
フィットネスクラブでも比較的人気のあるカーディオ(有酸素)マシンの一つです。
天候に左右されずにランニングやウォーキングができるため、多くのジムやフィットネスクラブに設置されており、老若男女の方が利用しています。
トレッドミルの特長・効果
トレッドミルは以下4つの特長・効果があります。
- 手軽に有酸素運動ができる
- 膝など関節への負担が少ない
- ワークアウトの条件を調整できる
- 達成感を得やすい
それぞれについて見ていきましょう。
手軽に有酸素運動ができる
トレッドミルは屋内で手軽に有酸素運動ができるため、継続しやすく安定した運動習慣を確立するために役立ちます。
屋外でウォーキングやランニングをする場合には、路面の状態によりケガを誘発してしまう可能性や、真夏に屋外でウォーキングやランニングを行い熱中症や熱疲労を引き起こすリスクも考慮しなければなりません。
また、早朝や夜間に外出することにより犯罪や路上でのトラブルに巻き込まれたりすることもあります。
屋内でトレッドミルを使用すれば、これらのリスクを回避できるのです。
速度や傾斜の調整も可能なため、ウォーキングからランニングまで施設利用者に合わせて運動負荷を調整できます。
本格的なトレーニングをしたい方だけでなく、運動初心者や高齢者の方でも使いやすいカーディオマシンです。
膝など関節への負担が少ない
特にランニングやジョギングを屋外で行う場合には、膝など関節への負担が大きくなってしまうことが多いものです。
ランニングを行う際には、着地時に体重の約3倍の衝撃が膝関節に繰り返し加わるといわれています。
トレッドミルを正しく利用すると、屋外でランニングするよりも歩幅(ストライド)が小さくなるピッチ走法となるため、膝や足への負担が減少するといわれています。
トレッドミルの適切な利用は、ランナー膝(腸脛靭帯炎)などのランニングにより起こるケガの予防に役立つでしょう。
ワークアウトの条件を調整できる
屋外のランニングでは風や地形などの条件により負荷がかかります。
これに対して、トレッドミルでは風や地面の凸凹による影響がないため屋外のランニングよりも負荷が低いといわれていますが、速度や傾斜を調整して負荷を増やすことも可能です。
一般的には、トレッドミルで傾斜率を約2.0%に設定すると、おおよそ平地で同じ速度でランニングするのと同程度の負荷が体にかかるといわれています。
このように傾斜の設定をすれば、ワークアウトの負荷を自由に調整できるのです。
達成感を得やすい
運動施設では走行距離や消費カロリーなどが表示されるトレッドミルが設置されているケースが多いため、ダイエット目的やトレーニング目的で運動している方は達成感を得やすいといった効果があります。
達成感を得ることは、運動を継続するモチベーションを高め、運動施設の利用継続にも寄与します。
トレッドミルの種類(フレーム)
トレッドミルでもさまざまな種類があります。
コンソールと呼ばれる操作パネルに関する違いやフレームと呼ばれる走行面の違いなど複数あり、性能によって使いやすさや与えられる負荷の大きさ、利用者のモチベーションに与える影響が異なります。
業務用トレッドミルのフレームには、一般的に以下のような分類があります。
- ランニングベルトとスラットベルト
- 自走式と電動式
それぞれの分類について解説します。
ランニングベルトとスラットベルト
一般的なトレッドミルはランニングベルトが搭載されていますが一部上位機種(弊社ではPerformance plus)にはスラットベルトというベルトを搭載しています。
スラットベルトは通常のランニングベルトと違い厚みのあるベルトで衝撃吸収性を大幅に向上させています。
走行時の感覚もトラックを走っているような感覚で特別なユーザー体験を提供します。
また最低限のメンテナンスで16万kmの走行が可能ですので、従来のトレッドミルだと必ず発生するランニングベルト交換の負担を軽減します。
自走式と電動式
自走式とは、電動モーターが搭載されておらず、利用者が自走することでベルトを動かすタイプです。グループトレーニングやアスリートのトレーニングや高齢者のリハビリ等、低負荷から高負荷まで幅広いトレーニングが可能です。
また、電源が必要ないため設置場所に左右されないというメリットもあります。
これに対し電動式は電動モーターがベルトを回転させるため、自力でベルトを動かす必要がなく一定の速度で走ることができるのが特長です。
電動式は長時間利用にも耐えられる構造となっており、複数の方が長時間利用しても問題なく本格的なトレーニングを行うことができます。
業務用トレッドミルのほとんどは電動式を採用しています。
(導入の際は200V電源の確保が必要です。)
シリーズ3種類
MATRIXで扱っているトレッドミルは、大きく分けて以下3種類のシリーズがあります。
それぞれの特徴について解説します。
もちろんトレッドミル以外もございますが、こちらではトレッドミルに関してのみ解説いたします。
1.パフォーマンスシリーズ
パフォーマンスシリーズには、最上位機種である「パフォーマンスプラス(PERFORMANCE PLUS)」と「パフォーマンス(PERFORMANCE)」があります。
優れた走行感と機能に加え、ほかのシリーズを超える耐久性を兼ね備えているモデルです。
特にパフォーマンスプラスは、MATRIX初のスラットベルトを搭載し、独自のピュアストライドクッションシステムにより高い衝撃吸収力を誇り、高性能で高効率のドライブシステムを搭載しているため、業務用ランニングマシンの中で最高水準のスペックといえます。
最高速度は26km/h、勾配は20%まで対応でき40段階の調整が可能な事に加え、走行面は奥行き157cm×幅61cmと十分な広さがあります。
また、最小限のメンテナンスで最大16万kmもの駆動が可能です。
高強度でヘビーユースにも耐える頑丈なデザインで、アルミ成形エンドキャップ、頑丈なフレームデザインと超耐久性のあるコンポーネントは頻繁な使用やハードな環境に耐え、トレッドミルの性能を長く保ちます。
2.エンデュランスシリーズ
エンデュランスシリーズ(ENDURANCE)は、機能性と高い耐久性を兼ね備えた大規模の運動施設向けのモデルです。
アルティメット・デッキシステムとトレッドミル専用に開発されたダイナミックレスポンス・ドライブシステムを搭載しています。
ステップ高は23cmでパフォーマンスよりも4cmほど低く設計されており、初心者や高齢者でも比較的安全に乗り降りできます。
3.ライフスタイルシリーズ
ライフスタイルシリーズ(LIFESTYLE)は、コストパフォーマンスに優れた機能とシンプルな外観が特長のモデルです。
アルティメット・デッキシステムとダイナミックレスポンスドライブ駆動システムを搭載しています。
ベルトは奥行き152cm×幅56cmで上位機種よりもコンパクトです。
ステップ高は18cmと低めで速度0.8〜20km/hの間で調整可能なため、高齢者や運動初心者も安全に利用できます。
トレッドミルの種類(コンソール)
MATRIXで扱っているトレッドミルのコンソール5種類について、それぞれの特長を解説します。ターゲットや予算に合わせて5種類から選択が可能です。タッチコンソールの場合は独自のプログラムやマシンディスプレイでの広告表示でジムのマーケティングをサポートします。
1.タッチXLコンソール
タッチXLコンソールとは、22インチの静電式タッチパネルスクリーンを内蔵したコンソールです。
MATRIXオリジナルのHIIT(高強度インターバルトレーニング)「スプリント8」やバーチャルアクティブなど豊富なコースを標準搭載しています。
スマートフォンのようにわかりやすいアプリ方式でWi-Fi接続によりSNSやWebが利用可能な事に加え、Bluetoothでスマートフォン、ヘッドフォン、心拍計への接続も可能です。
さらにApple Watchとも接続できるため、運動時の心拍数など正確なユーザーデータを反映することができます。
また、スマートフォンのワイヤレス充電に対応していますので走行中にスマートフォンをマシンに置いておくだけで充電が可能です。
※トレッドミルとクライムミルのみ搭載可能
2.タッチコンソール
タッチコンソールとは、16インチの静電式タッチパネルスクリーンを内蔵したコンソールです。機能的にはタッチXLコンソール同等で、サイズを抑えていることにより小規模のジムにも適しています。
またタッチXLコンソールは大きさの問題からトレッドミルとクライムミルにしか搭載ができませんが、タッチコンソールの場合はすべてのフレームに適合します。
3.プレミアムLEDコンソール
プレミアムLEDコンソールとは、大きくて鮮明で文字やグラフィックが読みやすい8000ピクセルディスプレイのマルチカラーLEDコンソールです。
シンプルで操作が簡単なため、初心者や高齢者でも安心して利用できます。
短期間で効果を上げられる高強度インターバルトレーニングが可能な「スプリント8」プログラムにも対応しています。さらにApple Watchへの接続も可能で、運動時の心拍数など正確なユーザーデータの反映が可能です。
SPRINT8プログラムとは
スプリント8は30秒の高負荷運動と90秒の低負荷リカバリーを8回繰り返します。20分の運動中、全力運動はたった4分。短時間で効率的なトレーニングが可能です。
1回20分のプログラムを週3回、それを8週間続けることで、成長ホルモン促進、脂肪燃焼、筋力増強に効果がみられることが実証されているプログラムです。
4.LEDコンソール
LEDコンソールとは、大きくて見やすいLEDディスプレイで操作が簡単なシンプルなコンソールです。
直感的に操作できるユニバーサルなアイコン表示が特長で、複雑な操作が苦手な方でも安心して利用できます。
高齢者の方やトレーニングに集中される方に適しています。
他のコンソールよりもご予算を抑えた提案が可能となりますので、ストレングスやフリーウェイトに特化したジムの場合はLEDコンソールを導入いただくことが多いです。
Bluetooth接続やApple Watchへの接続には対応していません。(Wi-Fiはオプション)
5.グループトレーニングLEDコンソール
グループトレーニングLEDコンソールとは、グループトレーニング向けに開発された大きくて見やすいLEDディスプレイのLEDコンソールです。
プリセットボタンがあるため、事前に強度(低・中・高)を自由に設定可能で、ワンタッチで好みの強度や速度、傾斜に調整できます。速度の変化を素早く行う必要があるグループトレーニング等に適しています。
Bluetooth接続やApple Watchへの接続、ワイヤレス充電には対応していません。(Wi-Fiはオプション)
ターゲット別トレッドミルの選び方を解説
施設利用者の満足度を高めるためには、自施設に合ったトレッドミルを購入する必要があります。
ターゲットに沿って適切なマシンを選定することで顧客満足度が向上し、退会率抑制に繋がります。
運動初心者向け:楽しみながら運動できるタイプ
運動初心者が多い運動施設では、楽しみながら運動できるタイプのトレッドミルが適しています。
運動初心者はマシンの扱いに慣れていないことに加え、運動すること自体を負担に感じてしまいやすいため、まずは運動を継続することが重要な課題となるものです。
継続的にジムに通い、運動習慣を定着させるためには、楽しむ仕組みづくりが効果的です。
以下のような機能が搭載されているコンソールを利用すると、運動初心者でも負担が少なく、運動を継続しやすくなります。
- トレッドミルを利用しながら動画を視聴できる
- 屋外を走っているかのような景色の移り変わりを楽しめる
トレッドミルは単調な運動に感じられやすいため、利用者を退屈させないような機能が搭載されているコンソールを選ぶとよいでしょう。
高齢者向け:ステップ高が低くシンプルで扱いやすいタイプ
高齢者の場合は、利用者自身でマシンを操作すること自体が難しいケースや、高い段差が負担になるケースが多いものです。
トレッドミルを利用する際にステップにつまずいてケガをしたり、操作が難しく苦手意識を抱いてしまったりすると、運動すること自体が億劫になってしまい、運動施設から足が遠のいてしまうでしょう。
高齢者の場合は、ステップが高い機種だとトレッドミルに乗る際につまずいて転倒してしまう可能性が高まり危険です。
「バリアフリー性に関する基準(高齢者等配慮対策等級3)に係る仕様」には玄関などの段差についての基準は20cm以下と定められていることから高齢者が利用する際には20cm以下のステップ高だと理想的だといえるでしょう。
パーキンソン病や脳梗塞などの既往がある利用者は、転倒しやすいためステップに上がる際に特に注意が必要です。
高齢者の利用者が多い施設では、トレッドミルに乗る際のステップ高が低く、機能や操作方法がシンプルでわかりやすいタイプを選ぶとよいでしょう。
ダイエット目的:科学的根拠に基づいたプログラムが搭載されているタイプ
ダイエット目的の利用者が多い施設では、コンソールの選び方が重要です。
走行距離やスピードが表示されていても、どの程度のダイエット効果が期待できるのか実感が湧かないケースが多いでしょう。
ダイエットのモチベーションを維持するためには、適当に走るだけではなく、科学的根拠に基づいたプログラムに従ってトレーニングする方が効果がでやすくなり、効果を実感するこが継続に繋がります。
また、当たり前ですが運動強度や心拍数をしっかりと計測できるコンソールを選択しましょう。
一般的に有酸素運動を60〜80%程度の低程度〜中等度の運動強度が脂肪燃焼しやすいといわれており、内臓脂肪を減少させるためには週当たり10メッツ・時以上の運動を加える必要があるといわれています。
ダイエット目的でトレッドミルを利用する方が多い運動施設では、ダイエットに適したプログラムが搭載されたトレッドミルや、消費カロリーだけでなく心拍数が利用できるモデルを設置すると施設利用者のニーズに応えることができます。
さらに「ダイエット目的の運動=辛い」という学習がなされてしまうと継続が難しくなるケースが多いのも事実です。
「ダイエット目的の運動=楽しい」といった印象を植え付けるために、運動初心者向けと同様に動画視聴や屋外を走っているかのような景色を楽しめるコンソールのトレッドミルを設置するのもダイエット目的の施設利用者を獲得するために効果的です。
熟練者向け:最新かつ高性能なタイプ
長期間運動を継続している熟練者やハードなトレーニングを行うアスリートの利用者が多い運動施設では、最新かつ高性能なタイプが好まれる傾向にあります。
運動熟練者に人気のスポーツジムでは、定期的に最新のマシンや運動プログラムを導入し効率よく運動ができるよう改良が重ねられています。
日頃からハードな運動を行う熟練者の場合、高い運動効率はもちろん関節への衝撃などオーバーユースによるケガを予防したいと考えるものです。
運動熟練者の悩みを解決するような最新かつ高性能なタイプのトレッドミルを導入し、それを強みにした広告宣伝を行うと熟練者に対して訴求する施設づくりができるでしょう。
まとめ
この記事では、トレッドミルの種類と特長・効果・選び方について解説しました。
自施設の利用者に合った機能が備わっている製品を選択することがトレッドミル導入を成功させる鍵となります。
また、トレッドミル選びで失敗しないためには、購入前にプロによる説明を受けることが重要です。
ジョンソンヘルステックジャパン株式会社は、最先端フィットネスに対応した「マトリックスブランド」を扱うフィットネスマシンの総合メーカーで、ジム運営に関する総合的なソリューションの提供も行っています。
トレッドミルの購入やジムの開業でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。