多くのジム運営者の方は限られたスペースの中で、ユーザーの多様なニーズにどう対応していくかという課題を抱えていらっしゃるかと思います。
今回はマシンメーカーの観点から海外、国内トレンドも踏まえながら「限られたスペースでどのようにニーズに答え、売上を上げていくのか」をファンクショナルトレーニングに焦点を当てて解説していきます。
ファンクショナルトレーニングの人気は根強い
近年、フィットネス業界では会員ニーズの多様化が進んでいます。ヨガ、ピラティス、ファンクショナルトレーニングなど、従来のマシントレーニングだけでなく、様々なエクササイズ方法が求められるようになりました。その中でも特にファンクショナルトレーニングは根強い人気があります。
ACSM(アメリカスポーツ医学会)が発表している2024年のフィットネストレンドでも4位の順位となっており、国内のGoogleトレンドデータを見るとファンクショナルトレーニングは一時的な流行ではなく長期的に人気が持続しているトレーニングといえます。
参照:What’s moving the fitness industry this year? (fibo.com)
スペースを確保してまでファンクショナルエリアを作るメリット
スペースが限られているフィットネスクラブにおいて、カーディオエリアやストレングスエリアに加えてファンクショナルエリアを設けることには、以下のようなメリットがあります。
多様なトレーニングニーズへの対応(顧客満足度向上)
ファンクショナルトレーニングエリアを設けることによって、日常生活の動作により即したエクササイズを提供する事が可能になります。
バランス感覚や柔軟性など、様々な身体能力を向上させることができるため、会員の多様なニーズに応えることが可能です。
例えば、高齢者向けの転倒予防プログラムや、アスリート向けのパフォーマンス向上トレーニングなど、ターゲットに合わせた幅広いプログラムを提供できます。
差別化要因としての活用(集客強化)
ファンクショナルトレーニングを導入することで、他のジムとの差別化を図ることができます。最新のトレーニング機器や特色あるプログラムは、新規会員の獲得に役立ちます。例えば、“日常生活の動作を改善するファンクショナルトレーニング”といったキャッチコピーを用いて、ジムの特色をアピールすることで、集客力の強化が期待できます。
グループレッスンの充実(コミュニティの創出)
ファンクショナルゾーンを活用して、魅力的なグループレッスンを提供することで、会員同士の交流を促進し、コミュニティ形成を図ることができます。例えば、TRXサスペンショントレーニングやバトルロープを使ったレッスンは、チームワークを必要とするため、会員同士の絆を深めるのに最適です。こうしたコミュニティの創出は、会員定着率の向上にもつながります。
パーソナルトレーニングの強化(アップセルの提案)
ファンクショナルトレーニングは、パーソナルトレーニングにも最適です。専門性の高いトレーニングを提供することで、パーソナルトレーニングの需要を喚起し、売上拡大につなげることができます。例えば、ファンクショナルトレーニングを活用した “姿勢改善プログラム” や “ゴルフパフォーマンス向上プログラム” など、目的別のパーソナルトレーニングメニューを用意することで、アップセルの機会を創出できます。
ファンクショナルトレーニングに特化したコネクサスは、一般的なマシンと比べてコンパクトな設計なため、限られたスペースを有効に活用できます。少ないスペースでも、多彩なトレーニングオプションを提供可能です。
ファンクショナルトレーニングエリアの課題点
複数あるメリットの一方でファンクショナルトレーニングは、多くのフィットネスクラブでは、専用エリアの活用が十分に進んでいないのが現状です。その主な課題点は以下の3つが主な要因と考えられます。
パーソナルトレーニングを提供できるスタッフがいない
ファンクショナルトレーニングは、個人の目的や体力レベルに合わせたプログラムの提供が重要であり、専門知識を持ったトレーナーの指導が欠かせません。しかし、多くのクラブでは、適切な資格を持つスタッフが不足しており、パーソナルトレーニングの提供が難しい状況にあります。
この課題に対しては、弊社ではMATRIXトレーナーやNESTAのトレーニング研修をマシンと併せて提供し、スムーズにパーソナルトレーニングの提供に移る事が可能になります。
セルフトレーニングとして使えないメンバーが多いので利用率が低い
ファンクショナルトレーニングは、正しいフォームと適切な負荷設定が重要であり、自己流のトレーニングでは効果が限定的です。しかし、多くのユーザーは、機器の使い方や効果的なプログラムの組み方がわからず、せっかくのエリアが活用されないケースが見られます。
この課題を解決するには、ユーザー教育とサポート体制の強化が不可欠です。初心者向けのオリエンテーションを充実させたり、設備の使い方を示すインストラクションやトレーニング動画を用意したりすることで、ユーザーがセルフでトレーニングできるようになります。
MATRIXラーニングセンターでは200種類以上のトレーニング動画を無償で提供していますので、施設側でのコンテンツ作成は最小限に抑えられます。
ファンクショナルエリアを設けるスペースがない
多くのフィットネスクラブでは、限られたスペースの中で様々な機器やプログラムを提供する必要があり、ファンクショナルトレーニング専用のエリアを設けることが難しい状況にあります。特に、都心部の高い賃料の物件では、スペースの確保が大きな課題となっています。
この課題に対しては、スペースの有効活用が鍵となります。Connexusシリーズのようなコンパクトで多機能な機器を導入することで、限られたスペースでも効果的にファンクショナルトレーニングを提供することができます。また、レイアウトの工夫や動線の最適化によって、デッドスペースを減らし、トレーニングエリアを確保することも可能です。
これらの課題をすべて改善できるConnexusシリーズに加え、様々なアイデアを具体的に実現していくことで、ファンクショナルエリア拡張による売上向上を見込めます。
顧客満足度を下げないファンクショナルエリア拡張のアイデア
複数ある課題の中でも特にスペースがない事がネックになって取り組みが難しいジムもあるかと思います。現在の顧客満足度を維持しながら限られたスペースでファンクショナルエリアを生み出すアイデアをいくつか紹介いたします。
ストレッチエリアのリニューアル
ストレッチマットを敷いてストレッチエリアとして活用しているジムの場合は、利用率やお客様の声を聴いたうえでフリースペースに変更する方法があります。
例えばストレッチがメインだったエリアをファンクショナルゾーン(フリースペース)とし、コネクサスEdgeなどを導入します。
グループトレーニングやパーソナルがない際にはヨガマットを利用しストレッチエリアとして活用することでスペースの有効活用が可能になります。
マシンレイアウトの変更・改善
既存のマシンの利用率やユーザーの声をヒアリングしてマシンレイアウトの変更やマシンの入れ替えをする方法があります。
トレーニングマシンの種類が減る(満足度の低下に繋がる)レイアウト変更ではなく、ユーザーの満足度を低下させないスペースの創出アイデアも複数ございます。
例えばコネクサスCrestであれば既存のファンクショナルトレーナーと入れ替える形で、少しのスペースで新たなエリア創出が可能になります。
弊社ではレイアウト変更も含めたご提案も可能ですのでお悩みの場合はお問い合わせください。
ファンクショナルエリア拡張による売上へのインパクト
ファンクショナルトレーニングの人気が継続する中、多くのフィットネスクラブがスペースの有効活用と会員ニーズへの対応を目的として、ファンクショナルエリアの拡張を検討しています。実際にファンクショナルエリア拡張による売上へのインパクトを具体的な数値を用いてシミュレーションをしてみると以下のようになります。
- ファンクショナルゾーンの拡張面積:10㎡(2m×5m/3.16m×3.16mなど)
- 拡張に必要な投資額(マシン費用/マーケティングコスト含む):150万円(コネクサスHUBを想定)
- パーソナルトレーニング料金:6,000円/回(60分)
- パーソナルトレーニングの実施回数:平均2~3回/日
4回/月等のプランであればプラン金額(プラン料金×人数/月)での計算となります。 - 月間稼働日数:15日~20日
- トレーナーの人件費:2,000円/時間
シミュレーション
上記の前提条件に基づくシミュレーションの場合、ファンクショナルエリアを10㎡(3坪)拡張してマシンを導入、パーソナルへの集客施策もコストを掛けて展開する事で、投資金額は最短6.3ヵ月で回収できる見込みとなりました。
それ以降の集客が上手くいき、追加コストを掛けなければ10㎡のファンクショナルエリアだけで、¥240,000/月(¥2,880,000/年)の利益増となります。
※実際の売上へのインパクトは、パーソナルトレーニングの販売状況や会員のニーズ、スタッフの人件費拡大などによって変動する可能性があります。
また、Connexusを活用したファンクショナルエリアは動画コンテンツなどのサポートによりセルフユーザーの利用も活発化できます、そのためパーソナルを提供していない時間にデッドスペースとなることは少なくなります。
そのほかにも20㎡以上のエリアを確保してセミパーソナルもしくはグループトレーニングなどの提供ができれば、さらなる利益の拡大につなげる事ができます。
売上拡大に繋がるパーソナルトレーニング訴求アイデア
従来のパーソナルトレーニングの打ち出しだけでは、潜在的な会員のニーズに応えきれていない可能性があります。しかし、ファンクショナルエリアを活用し、ターゲットを絞った特色あるトレーニングを提供することで、新たな会員層にアプローチすることができるかもし知れません。
参考までにパーソナルトレーニングの訴求案を一部まとめていますので是非ご確認ください。
※トレーニング内容についてあくまでも例となりますのでご了承ください。
シニア向け:バランス&フレイル予防トレーニング
加齢に伴うバランス能力の低下を防ぎ、転倒リスクを減らすとともに、フレイル(虚弱)予防を図る。
- バランスクッションを使った片脚立ちトレーニング
- TRXを活用した自重負荷でのスクワットや体幹トレーニング
- サンクトバンドを用いた下肢の筋力トレーニング
ゴルファー向け:スイング改善トレーニング
ゴルフスイングに必要な柔軟性、バランス、パワーを向上させ、飛距離アップとスコア改善を目指す。
- TRXを使った体幹回旋トレーニング
- メディシンボールを用いたロータリースローや片手スイング
- バランスボード上でのスイング練習
ビジネスパーソン向け:姿勢改善&ストレス解消トレーニング
デスクワークによる姿勢の歪みを改善し、ストレス解消とリフレッシュを図る。
- TRXを使った胸部ストレッチや背中のトレーニング
- フォームローラーを用いたセルフマッサージ
- ヨガマットでのリラックス&ストレッチ
女性向け:美脚&ヒップアップトレーニング
下半身を中心に筋力アップとシェイプアップを図り、理想的な美脚とヒップラインを目指す。
- アンクルアタッチメントを使ったレッグエクステンションとレッグカール
- TRXを活用したシングルレッグスクワットとブリッジ
- サンクトバンドを使ったヒップアブダクションとヒップエクステンション
女性向け:産後リカバリートレーニング
出産によって低下した体力や筋力を回復し、ボディラインの改善を図る。
- TRXを活用した骨盤底筋トレーニング
- サンクトバンドを用いた下肢の筋力トレーニング
- フォームローラーを使ったセルフマッサージとストレッチ
アスリート向け:スポーツパフォーマンス向上トレーニング
スポーツ特有の動作や体力要素を強化し、パフォーマンスの向上を図る。
- TRXを使ったプライオメトリックトレーニング
- バランスボールを用いた体幹安定化トレーニング
- アジリティラダーを使ったフットワークドリル
シニア向け:認知機能向上トレーニング
運動と脳トレを組み合わせることで、認知機能の維持・向上を目指す。
- デュアルタスクトレーニング(計算問題を解きながらのバランス運動など)
- コネクサスステップを使った昇降運動と色認識トレーニングの組み合わせ
- ボールを使った手と目の協調性トレーニング
中高年向け:ロコモティブシンドローム予防トレーニング
運動器の機能維持・向上を図り、将来のロコモティブシンドローム発症リスクを減らす。
- バランスクッションを使った片脚立ちトレーニング
- ハーフスクワットや椅子からの立ち上がりトレーニング
- サンクトバンドを用いた下肢の筋力トレーニング
オフィスワーカー向け:腰痛予防&体幹強化トレーニング
長時間の座位による腰痛を予防し、体幹の安定性を高める。
- フォームローラーを使った背中と臀部のセルフマッサージ
- TRXを活用した体幹トレーニング(プランク、ローテーションなど)
- バランスボール上での座位バランストレーニング
【まとめ】限られたスペースでファンクショナルトレーニングを導入し、売上アップを実現するためのポイント
近年、会員のニーズが多様化しており、従来のフィットネスクラブとの差別化を図るためには、ファンクショナルエリアの設置は選択肢として有効です。
限られたスペースでも、コネクサスシリーズを導入する事で様々なトレーニングを提供でき、アップセルの実現や顧客満足度の向上につなげる事ができます。
7月に開催されるSPORTECでもコネクサスシリーズを展示しておりますので是非ご来場ください。
コネクサスに関する資料もおまとめしていますので是非以下フォームより資料をダウンロードください。