この記事で分かること
- ハードな運動と軽い運動(アクティブリカバリー)の使い分け
- フィットネスの目標との付き合い方
- コツコツ運動することの重要性
今では多くの人がジムに通っています。それがフルサービスのジム、ヨガスタジオ、あるいはブートキャンプの高級ジムであっても、それはわれわれにとって第二の家となります。そこには普段の交流とは離れたジム仲間がいることもあります。
パンデミックの影響もあり、多くの人が自宅にホームジムを持つようになりました。コロナ禍ではジムが閉鎖されていたため自宅でエクササイズするためのマシンを購入するしかありませんでした。しかし、今や多くの人々がジムとホームジムの両方を持つメリットを享受しており、どちらも手放せないという方もいます。それは新しいハイブリッドワークアウトの世界なのです。
ジムが街の向こう側にあろうが自宅内にあろうが、そこは長く仕事が続いた一日の後にストレスを解消する場所であり、また一日をエンドルフィンを分泌させてスタートし、シャープな頭で自宅からリモート会議に取り組む準備をするための場所でもあります。
理想的な運動スケジュールでは、週に数日ハードなワークアウトを行います。それ以上行うと、精神的にも身体的にも燃え尽き(バーンアウト)を感じたり、さらには過度のトレーニングで怪我をしたりする可能性があります。そうすると、運動による継続的な成果を得つつモチベーションを保つためには、ジムでのフィットネスクラス、自宅でのワークアウト、そして休息の適切なバランスはどのようなものになるでしょうか?
その答えは一人ひとりの目標や緻密な計画をどれくらい上手く実行できるかによって異なります。
もう昔のような運動はできません
夜が明けるまで飲み続けた後、4時間しか寝ないまま、スポーツドリンクを飲んでから数キロのランニングをするといった「汗で疲れや毒素を流す」という時代は遠い過去のものです。今ではチーズを見るだけで気分が悪くなったり、ワインを数杯飲んだだけで翌日つらく感じたりします。そんな日の翌日に5km本気でランニングしようと考えてみてください。誰もそんなことはしたくないでしょう。
ハードなワークアウト、長時間のランニング、激しいサイクリングを日々続けることができて、休息日など必要なかった日々を思い出す方もいるかもしれません。すべてのワークアウトの目標は共通してカロリー消費を最大限に高めるためにできるだけ強度の高い運動をすることだったのではないでしょうか。楽な日など全くなかったかもしれません。
このような無計画だった日々から学習し考えを改める必要があります。運動ルーティーンを維持するのに成功するには、栄養、メンタルヘルス、社会生活、継続可能性といったことに対して計画的なアプローチをする必要があるのです。
80/20の法則を使ってチートデイやお酒とタンパク質やサラダのバランスを取るように、激しいジムのセッションも緩やかな自宅での運動ルーティーンでバランスを取る必要があります。その逆も同じで、自分の通っているジムがピラティスやヨガスタジオの場合は、自宅を激しいトレーニングの場にする必要があります。
自宅で運動をする際には多くの効果的なやり方が存在します。例えば、有酸素トレーニングマシンは、アクティブリカバリーのために有酸素運動や高強度のワークアウトを混ぜるのに最適なため、ジムでのグループフィットネスクラスやワークアウトを補完するのに優れた選択肢です。大切なのは、自分にとってどのようなバランスが最適なのかを見つけることです。
フィットネスに対する期待をしすぎない
あなたがまだ身体的に活力に溢れていようが衰えがすでに始まっていようが、トレーニングや運動に対してスマートなアプローチを取ることは常に重要です。自分がスポーツ選手で、自分の好きなスポーツと一日2〜3時間のワークアウトでお金を稼いでいる方はほとんどいないと思います。そのため、赤ちゃんの夜泣きによる睡眠不足、仕事による高いストレス、そしてそのワインが引き起こす恐ろしい回復不良など、人生のすべての変数を考慮に入れる必要があります。
日曜日にジムでハードにトレーニングしたり、自宅のクロストレーナーでたくさん汗をかいたりする計画があるからといって、それが常に計画通りに行くわけではありません。実際のところ、計悪通りに行くことはほとんどの場合で保証されていません。
私自身は、毎週ざっくりとしたトレーニングスケジュールを立てていますが、必ず毎週調整が必要になります。以前のようにスケジュールが変わることを恐れるのではなく、予定外のことに対応してやり過ごせるように学習しました。人生もトレーニングもすごく過ごしやすくなりました。行き過ぎたトレーニングをしたり、体が休息するように告げているにもかかわらずハードなトレーニングを強行することがなくなったので、病気や怪我をすることはありません。昔のように6%の体脂肪率の体で歩き回ることはありませんが、自分の中での幸福、フィットネス、健康のバランスはこれまでにないほど良好です。
私が自分のジムのメンバー全員におすすめしているのは、週に1〜3回のハードなワークアウト(HIITや高重量のウェイトリフティングを含む)をして、週に2〜3回はヨガ、ハイキング、ウォーキング、ピラティスなどを行うより易し目のアクティブリカバリーを行うルーティーンです。アクティブリカバリーは血流を促し、筋肉が激しい身体活動から回復し再構築されるのを助けます。もちろん、1〜2日休息日を取ることも必須です。
アクティブリカバリーの利点
アクティブリカバリーで行うワークアウトは体にとってのメリットがたくさんあります。厳しい運動の後でより速く回復するのに役立つだけではありません。その他のメリットには以下のものがあります。
- 筋肉に乳酸が蓄積するのを軽減する
- 毒素を排出する
- 筋肉の柔軟性を保持する
- 筋肉痛を軽減する
- 血流を促進する
- 運動習慣の維持を助ける
運動のバランスについて苦労していたりどこから始めればいいかわからない場合は、パーソナルトレーナーやコーチから専門的な助けを求めるのに良いタイミングです。
下記のチャートは、私のジムに訪れるお客様の3つの一般的なプロファイルと、各プロファイルに対する私のおすすめの週間トレーニングスケジュールを示しています。それぞれのアプローチのバランスに注目してください。より簡単な運動をするアクティブリカバリーは、ハードなワークアウトの次の日にに来るようにスケジュールされており、また休息日も適宜入っています。
「時間がない」は言い訳にならない
ペニントン生物医学研究センターのティモシー・チャーチ博士(M.D., Ph.D.)が率いる研究チームは、460人以上の女性を対象に歩く量の違いが生活や体に与える影響を調査しました。その研究結果によれば、1日15分週に5日という短さでもトレッドミルでのウォーキングやフィットネスバイクで運動すれば体の健康は改善されると示されました。
たとえジムに行くための1時間が取れないとしても、その日の運動を完全にスキップするのはおすすめしません。計画通りの1時間のブートキャンプクラスではなくても、例えばオーブンが焼けるのを待っている間にトレッドミルやフィットネスバイクで15分だけでも運動できれば、心にも体にも非常に良い影響を与えるでしょう。
自分のルーティーンについては楽観的に考えるようにしてください。たとえ計画通りに行かなくても、体を動かす方法を見つけることはできるはずです。何でも良いので定期的に運動を行う一貫性を維持できれば、計画に完璧に従うオールオアナッシングのアプローチよりも長い目で見て自分のためになります。完璧さよりも一貫性を保つことが健康な運動の鍵なのです。
計画を立て、行動を起こしましょう
これまで「時間があればその時に」ジムに行く、一貫して運動を行えないといったようにトレーニングルーティンを適当に捉えてきたのであれば、今こそ変化を起こす時です。
次の1か月間、健康とフィットネスのルーティンを優先することに取り組むと決めてみましょう。カレンダーを開いて仕事と家庭のスケジュールを確認し、紙を取り出して次の質問に答えながら考えをまとめてみてください。
- 今月の目標は何か?:
シンプルで達成できそうなことから始めてみましょう。月ごとの小さな目標であっても、長い目で見ると積み重なっていきます。年末には12ヶ月にわたってどれだけのことを成し遂げられたか振り返ることもできるでしょう。 - ジムと自宅でのトレーニングをそれぞれどの日に行うか?:
ジムでのクラスの時間を書き留め、ジムへの往復の移動時間も含めて記入してください。カレンダー上で時間が多く取れそうな日をジムの日としてスケジュールしましょう。自宅でのワークアウトはジムに行く日や仕事・家庭でのイベントの合間に入れるようにしましょう。 - ハードなワークアウトとアクティブリカバリーの使い分けは?:
可能な限り、ハードなトレーニングの翌日に簡単なリカバリーデイをスケジュールするように心がけましょう。 - どの日はワークアウトをする時間がないか?:
とても忙しい日にはワークアウトを詰め込もうとしてもストレスになるだけなのでやめましょう。そのような日は休息日としてスケジュールしましょう。
最も重要なのは、運動に対してはフレキシブルでいることが重要だと忘れないことです。人生は常に変化し続けるものです。そのため。プランには変更を咥えながらポジティブな「継続する」態度を失くさず一貫性を保つことこの成功の基盤です。フィットネスも含め、人生のあらゆる成功には完璧さよりも一貫性が重要なのです。
筆者について
チャド・ヤーヴィッツ(Matrix マスタートレーナー, USA)
チャドはサンディエゴ、カリフォルニアにある著名なスタジオジムのオーナー兼社長です。彼のトレーニング施設は、ボクシングとカーディオを組み合わせたクラスを専門とし、地域内でトップのジムの1つとして評価されています。チャドは2008年のカリフォルニア・ゴールデングローブ・チャンピオンであり、ボクシング界のレジェンドであるフレディ・ローチとトレーニングを積み、アミール・カーン、レイ・ベルトラン、モーリシオ・エレーラなどの世界チャンピオンのスパーリングパートナーを務めた経験があります。チャドはNASM認定パーソナルトレーナーです。
免責事項:このブログ投稿は情報提供および教育を目的としており、専門的な医療アドバイスの代わりには使用されません。上記の情報は、いかなる病気や医療状態の診断、治療、予防にも使用されるべきではありません。食事、日常の活動、睡眠、フィットネスルーティンへの変更を行う前に、健康ケアプロバイダーのアドバイスを求めることが重要です。Matrix Fitnessは、この記事で提供された推奨事項、意見、アドバイスによって引き起こされた個人のけがや損傷に対して一切の責任を負いません。本記事に記載されたフィットネス機器の取扱説明書に記載された安全対策を常に守ってください。