Home-use
家庭用記事

【MXRブログ】業務用トレッドミルと家庭用のトレッドミルの違いとは?

2023.6.15

この記事で分かること

  • 業務用トレッドミルと家庭用のトレッドミルの違いとは?
  • 業務用トレッドミルが持つ特徴とは?
  • そもそも「業務用」とは?

私は Matrix のプロダクトマネージャーのアンソニーです。フィットネスマシンのプロダクトマネージャーをやっていると、トレッドミルを買おうとしている友人からはいつもトレッドミルの質問をされます。私の友人たちが疑問に思うということは、みなさまも同じ疑問を抱いていると思います! まずは「業務用」と「家庭用」の違いの説明から始めていきます。

「業務用」の意味

業務用のフィットネスマシンは、最大で1日に12時間以上使われるようなスポーツクラブ、ジム、リゾート施設、スポーツ団体の施設などでの使用を想定して開発・テストされています。

準業務用のフィットネスマシンは、1日に5時間程度使われるような病院、クリニック、オフィス内のフィットネスセンター、消防署などの自治体、集合住宅の共用部などでの使用を想定して開発・テストされています。

業務用のマシンも準業務用のマシンも非常に耐久性が高く、あらゆるレベルのユーザーや、長時間の使用にも対応できます。また、通常は故障のリスクを減らす予防策としてメンテナンスを計画的に受けることが多いです。

「家庭用」とは

家庭用ホームフィットネスマシンは、一世帯のご家庭での使用を想定して開発・テストされています。

家庭用マシンには、1人のユーザーが週に数回程度短い時間だけ使うといった使用を想定しているものもあれば、複数のユーザーの使用やマラソン練習といった長時間の使用を想定して作られているものもあります。

ほとんどの家庭用マシンは定期的なメンテナンスが必要で、通常の100Vのプラグとコンセントで動くように作られています。

左は Matrix 業務用のパフォーマンスプラストレッドミル
右は家庭用の T75-V2

結局、業務用トレッドミルと家庭用トレッドミルはどこが違う?

最大の違いは、業務用トレッドミルは一日に複数の人が長時間使っても耐えられるように作られているということです。そのため、業務用トレッドミルのフレームは強度と安定性のために重くサイズも大きく、最大使用者重量も高く設定されています。

(本体重量も)業務用トレッドミルには180kgを超えるようなものも多く、家庭用トレッドミルでは高級なものでも130kg前後です。家庭用のエントリーモデルのトレッドミルは90kgもしないこともあります。業務用トレッドミルにはフレームの素材が大きく強度が高いので最大使用者重量も高くなります(180〜220kgの最大使用者重量)。それと比べると、高級な家庭用トレッドミルの最大使用者重量は150〜180kg程度で、通常の家庭用トレッドミルは150kg以下になります。

業務用トレッドミルは施設内の特定の位置に置かれ頻繁に利用されるので、折り畳みや簡単な移動ができないように作られています。家庭用トレッドミルは、折り畳みができるモデルとできないモデルがあります。

業務用クラスのパーツを使いながら折りたたみ可能な TF30-V2

Matrix トレッドミル TF30-V2

折り畳み機能がついた本格ランニングマシン

  • 業務用レベルの走り心地を備えながら折り畳みも可能で家庭にもフィットする
  • 高い耐久性のアルティメットデッキ
  • スムーズで静かなジョンソンドライブモーターを搭載
  • 安心の2年保証
売り切れ

業務用トレッドミルは家庭でマシンを使いたいユーザーにとってはスペックが過剰なことも多くあります。そのため、ジムのトレッドミルと似た運動を家庭で行いたい人にとっては、業務用クオリティの部品を使いつつ家庭用に作られたトレッドミルが最適です。

業務用クラスの部品と家庭用の部品の違い

ほとんどの業務用トレッドミルは低い回転速度でも安定するのでACモーターを使っています。そのため、それほどモーターが高熱になることもなく、性能も良い上にトルクも大きいです。家庭用トレッドミルで最も一般的に使われているのはDCモーターですが、種類によってその大きさと性能には大きな差が見られます。複数人が使ったり本格派のランナーがいる家庭では、ACドライブモーターを備えた家庭用トレッドミルを検討してみるのも良いでしょう。

T75トレッドミルで使われているACモーターを紹介している下の動画を見てください。

そのほかにも、ローラー、ランニングベルト、クッション機能、走行デッキなどのトレッドミルのパーツにも(業務用と家庭用の)違いは見られます。

ランニングベルト

ほとんどの家庭用トレッドミルのランニングベルトは、距離で言えば250km、時間で言えば3ヶ月走るごとに潤滑剤の塗布(シリコンスプレーなど)が必要になります。業務用トレッドミルのランニングベルトは、通常何層もの分厚いワックスでコーティングされているので、数千キロ走っても潤滑剤は必要ありません。まったく潤滑剤が必要ない場合もあります。Matrix の家庭用トレッドミルは、走行デッキに高品質でスムーズな仕上げがされていることで摩擦を抑えることができます。そのため、潤滑剤の塗布は500km走るごとに1回で済みます。

分厚いランニングベルトは耐久性が高く、走行中の足元の快適感を増やします。業務用ルームランナーの分厚い多層ベルトはいくつかの家庭用トレッドミルに使われている薄型ベルトよりも長持ちするように設計されています。とは言っても、家庭用トレッドミルのベルトは極めて薄いものから分厚いものまで様々です。ただ、分厚いベルトはより多くの電力を必要とすることが多いこともあるので気をつけてください。そのようなトレッドミルには、一般家庭のコンセントとは違うより電圧の高い専用コンセントに接続しなければいけないものもあります。

ローラー

ランニングベルトを乗せるローラーは業務用トレッドミルの方が家庭用のものよりも大きいです。ローラーが大きいとベルトとの接地面積が増えるので、動かしている時にローラーにもベルトにも負荷があまりかからなくなります。どちらのパーツも消耗が減り、寿命も延びます。大きいローラーだと乗り心地もスムーズになります。高級な家庭用トレッドミルは普通6.5〜7.5センチの太さのローターがついていますが、業務用トレッドミルには6.5~7.5センチのローラーがついています。

クッション

業務用のトレッドミルは、長時間の利用に耐えるために分厚いランニングデッキに優れたクッションシステムを備えています。エントリーレベルの家庭用トレッドミルは15〜18mmのデッキで、ミドルレンジのものは18〜20mm、高品質の家庭用トレッドミルや業務用では25mmの走行デッキが使われます。

一般的には、エントリーレベルからミドルレンジの家庭用トレッドミルのクッションには、小さくて平らなゴム製シリンダーや大きくて背の高いシリンダーまで様々なものが使用されます。これらの機種ではクッションの硬さも様々で、ランニングの衝撃が当たる部分には柔らかいクッションが使われることもあります。Matrix の業務用トレッドミルや家庭用トレッドミルはどちらも6つの丸いドーナッツのようなクッションを使っており、衝撃吸収性能は極めて高いです。柔らかいシリンダー型のクッションと比べると、ドーナツ型のクッションは経年疲労が少なく長時間使っても壊れにくい利点があります。

アルティメットデッキ

Matrixのトレッドミルで使われる独自の走行デッキと優れたクッションシステムは、アルティメットデッキと呼ばれています。次の動画でこの独自のテクノロジーについて確認しましょう。

最後に、業務用トレッドミルで使うディスプレイやコンソールにはソフトウェアに組み込まれた制限があることも多いです。例えば、人の多いジムでユーザーがトレッドミルを占有しないように運動の時間に制限がかかっていたりします。施設によってどのようなプログラミングをされているのか異なることもありますし、個体ごとに自分の運動記録は保存されないことも多いです。

2001年、ジョンソンヘルステックは Matrix Fitness ブランドを立ち上げ、プレミアムフィットネス機器を業務用市場に導入しました。現在では、Matrix はスポーツクラブ、高級リゾートホテル、大学のスポーツチームなどにカーディオ、ストレングス、グループトレーニングなどフィットネスマシンをフルラインナップで提供しています。また、家庭向けにデザインされた業務用レベルのマシンも販売しています。

Matrix は、業務用で使われるテクノロジー、多数の受賞歴を持つ優れたデザイン、さらに業務用クラスの部品を使ったトレッドミルを多くのご家庭にお届けしてきました。

Matrix の家庭用トレッドミルの特徴:

  • Matrix の業務用トレッドミルと同じクッションシステム
  • 25mm の分厚い業務用デッキ
  • 60mmの大型ローラー
  • T75 トレッドミルは厚目の 2.2mm ベルトを採用
  • トレッドミルのフラッグシップモデルである T75 トレッドミルは、Matrix の業務用トレッドミルと同じACドライブシステム、業務用のワックスコートベルトとアルティメットデッキを搭載しています。

トレッドミルの購入を検討しているなら、業務用トレッドミル、業務用クラスのパーツを持った家庭用トレッドミル、通常のエントリーレベルの家庭用トレッドミルのどれにするか決める前に、以下のポイントについて検討してみてください。

Matrix トレッドミル T75-V2

業務機並みの高スペックを誇る究極のトレッドミル

  • 折り畳み機能を排した設計で本体の安定性が当社の家庭用製品TOPクラス
  • 高い耐久性のアルティメットデッキと左右各4個のクッションを装備し業務用製品のような走り心地を実現
  • 業務用マシンでも使われるACモーターによって本格ランナーのトレーニングもサポート
  • 安心の2年保証

トレッドミルを購入するときに検討するポイント

用途

トレッドミルを使ってランニングとウォーキングのどちらを行おうと思ってますか? ウォーキングよりもランニングの方がマシンに重量が多くかかりますし、スピードがついていたり傾斜がある場合は特に多くかかります。ウォーキングであってもストライド幅(歩幅)が大きかったり背の高い人が使ったりする場合はトレッドミルの走行面は長めのほうが好ましいです。

ユーザー

何人でトレッドミルを使う予定でしょう? どれくらいの頻度で、どれくらい長く行いますか? 体重や身長はどれくらいでしょう? 2人以上が熱心にマシンを使うご家庭の場合、準業務用の施設と同じくらいの使用頻度が想定されます。この場合、業務用クラスのパーツを使っているマシンも重要な選択肢として検討してみてください。

スペース

ご家庭にマシンで使える場所はどれくらいでしょう? 折り畳みができればお部屋をより有効活用できそうですか? 天井はどれくらいの高さで、ユーザーで一番背の高い人の身長を考えるとマシンから天井までにどれくらいの距離が必要でしょう? 業務用トレッドミルや高級な家庭用トレッドミルにはステップ高が高いものもあるので、天井が低い場合は少し問題になるかもしれません。トレッドミルから出る音が家族や隣人に迷惑をかけそうかどうかも考えてみてください。高品質モータードライブ、プレミアムなパーツ、頑丈なフレーム構造などは家庭でのトレッドミルの音量を減らすのにとても重要です。スラットベルトのトレッドミルの多くは通常のベルトのトレッドミルよりも結構音が大きいので注意してください。

その他

運動プラグラム、心拍数計測、ディスプレイがタッチスクリーンかどうかなど他の特徴も考慮しましょう。あなたの家庭にはどんなタイプの運動をしたい人がいるのか、どういう要素があれば運動が続きそうかなどを考えてみてください。アプリやコンソールで選択して使える内蔵のプログラムを使いたいのか、スタートボタンを押して一定のペースで走ったり歩いたりしたいだけなのか、早く運動時間が過ぎるように何か動画を見たいのか、トレーニングアプリや Youtube を見てトレーナーに指導されながら運動がしたいのか、自分の目標も検討する必要があります。

予算

トレッドミル購入の予算はどれくらいでしょうか? エントリーレベルの家庭用トレッドミルは一番安いもので4万円台のものからあります。ただ、トレッドミルという商品は「価格に応じて得られる品質も変わる(=値段相応)」ということは気をつけておきましょう。安価なトレッドミルでは、故障が起きたりデッキが折れたりすることまであります。Matrix のトレッドミルのように業務用パーツを使った高性能な家庭用トレッドミルは安くて30万円程度から始まり80万円程度するものもあります。業務用クラスのマシンには100万円以上するものもあります。

結論

正しい家庭用のトレッドミルを選ぶことは自分のフィットネスの目的への近道です。きちんと選べば、家庭で簡単に天候や時間に左右されずランニングやウォーキングを楽しむことができるようになります。新しいトレッドミルをお探しなら、ある程度商品を調べてみることがとても重要になってきます。

ご家族のやりたい運動に一番マッチしたトレッドミルの候補を絞り込むようにしましょう。その上で、フィットネス専門ショップや量販店、ショールームで自分が気になっているものを試してみることをお勧めします。業務用トレッドミル、業務用パーツを使った高級家庭用トレッドミル、通常のエントリーレベルのトレッドミルの違いは実際に見て触れてみないとわかりにくいこともあります。

そして忘れないでいただきたいのが、トレッドミルのクオリティと耐久性は価格にとても大きく依存するということです。実際に購入する前に近くに環境があれば本格的なテストをしてみることをお勧めします。それと真逆なことを言うようですが、あくまで家庭での使用と考えると完全に業務用の最高級のトレッドミルが最高というわけでもありません。

筆者について

アンソニー・ウィンジ(Matrix グローバルプロダクトマネージャー)
フィットネス産業で17年以上の経験を持ち、ここ13年は世界中で使われる家庭用・業務用両方の製品を開発しています。

免責事項:このブログ投稿は情報提供および教育を目的としており、専門的な医療アドバイスの代わりには使用されません。上記の情報は、いかなる病気や医療状態の診断、治療、予防にも使用されるべきではありません。食事、日常の活動、睡眠、フィットネスルーティンへの変更を行う前に、健康ケアプロバイダーのアドバイスを求めることが重要です。Matrix Fitnessは、この記事で提供された推奨事項、意見、アドバイスによって引き起こされた個人のけがや損傷に対して一切の責任を負いません。本記事に記載されたフィットネス機器の取扱説明書に記載された安全対策を常に守ってください。