フィットネス業界は常に進化しており、会員のニーズに応えることが成功の鍵です。2024年現在、フリーウェイトトレーニングの人気が再び高まっています。本記事では、ジムにフリーウェイトを導入するメリットと、成功のためのポイントを詳しく解説します。
フリーウェイトはジムに欠かせないコンテンツ
フリーウェイトとは、自分でバーベルやダンベルなどを自由に動かして行うトレーニングを指します。
これに対して、マシントレーニングはマシンの軌道に沿って特定の筋肉を重点的に鍛えるトレーニングです。
フリーウェイトは自分で軌道を決定できるため、特定の筋肉だけでなく、トレーニングで行う動きに関連した筋肉もバランス良く鍛えることができます。
大抵のジムにはフリーウェイトエリアが設けられており、ジムには欠かせないコンテンツといっても過言ではないでしょう。
フリーウェイトをジムに導入するメリット
ここからは、フリーウェイトをジムに導入するメリットを3つご紹介します。
さまざまな種類のトレーニングを実施可能
軌道が固定され特定の筋肉だけを鍛えるマシントレーニングに対し、フリーウェイトでは器具の使い方次第で多種多様なトレーニングを実施できます。
ダンベルが1セットあれば、デッドリフト、ベンチプレス、スクワット、オーバーヘッドプレス、ダンベルクランチなどに活用できるといった具合です。
また、特定の筋肉を鍛えるのではなく、フリーウェイトでは日常生活や運動時の動作に近い運動に取り組み、体幹を支える筋肉も鍛えられます。
このように、全身をバランス良く鍛えることができるのもメリットの一つです。
運動中級者〜熟練者の満足度が上がる
フリーウェイトエリアが充実していると、運動中級者〜熟練者の満足度が高まりやすい点が2つ目のメリットです。
利用者が一人でフリーウェイトを使いこなすためにはフリーウェイトトレーニングに関する知識経験が不可欠なため、自然と運動熟練者のフリーウェイトエリアの利用率が高まるのです。
また、高重量の器具を自宅で扱うのは困難なため、高重量のフリーウェイトトレーニングを行うためにジム通いをする利用者もいるほどです。
パーソナルトレーニングとの相性が良い
フリーウェイトはパーソナルトレーニング(PT)との相性が抜群です。
正しいフォームの指導や個別プログラム作成の需要が高まり、PT収益の増加が見込めます。また、フリーウェイトを使用したPTは、効果的で多様なトレーニングが可能なため、顧客満足度も向上。リピート率の上昇やクチコミによる新規顧客獲得にもつながり、ジムの収益性向上に大きく貢献します。
フリーウェイトをジムに導入するデメリット
ここからは、フリーウェイトをジムに導入するデメリットを2つご紹介します。
けがや事故を引き起こすリスクがある
フリーウェイトでトレーニングを行う際に、以下のようなケースでけがや事故につながるリスクが高くなります。
消費者庁による「パーソナルジムにおける事故と健康被害調査」によると、以下のような事故が多いとの結果が示されています。
- 誤ったフォームでトレーニングを行っている
- 過度な負荷をかけている
- ダンベルなどの器具を床に落とす
- バーベルにウェイトをつけた際にカラーを使用しない
- 汗で手が滑る
運動初心者では、器具の扱い方がわからない、正しいフォームと負荷のかけ方に関する知識経験が不足しているケースでけがや事故が多いため、その点を踏まえた対策が必要です。
運動初心者は抵抗を感じるケースが多い
フリーウェイトエリアは、筋肉隆々とした熟練者が利用しているイメージが強いものです。
また、運動初心者はフリーウェイトでのトレーニング方法に関する知識経験が乏しいことからフリーウェイトエリアの利用を躊躇するケースもあります。
運動初心者が多いジムの場合には、運動初心者でも利用しやすいようにトレーナーを配置したり、器具の使い方をわかりやすく表示したりするなどの工夫が必要です。
フリーウェイト導入時に必要なマシンを紹介
ここからは、フリーウェイト導入時に必要なマシンを5種類ほどご紹介します。
1.パワーラック・ハーフラック
パワーラックとは、バーベルを設置するために用いられるラックのことで、ベンチプレスやデッドリフトなどのウェイトトレーニングをサポートしてくれる器具を指します。
パワーラックは、以下のような特徴があります。
● 高い負荷のトレーニングが可能
● 安全にトレーニングできる
● トレーニングのバリエーションが豊富
パワーラック・ハーフラックがあると、ベンチプレス、スクワット、デッドリフトなど豊富な種類のトレーニングができます。
パワーラックとハーフラックの違いは、支柱の数とケージの囲いの有無です。
ハーフラックはコンパクトな設計であるため、設置スペースが少なくて済む点がメリットですが、安定性に乏しい点がデメリットです。
施設の広さや利用者層に合わせて選びましょう。
2.バーベル・ダンベル
フリーウェイトエリアを設ける場合、バーベル・ダンベルは必須アイテムです。
バーベルについてはカラー、ベンチについてはセーフティーバーも設置し、安全性もしっかりと確保しましょう。
ダンベルについては、ウォーミングアップなどで使用も可能なため、1〜2kg程度の軽いものから20〜40kgの高重量のものまで可能な限り幅広い重量を取り揃えると熟練者に喜ばれます。
ダンベルには固定式と可変式の2種類があり、それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット | |
固定式 | ・初心者でも扱いやすい ・セッティング不要で手間がかからない ・壊れにくい | ・重量のバリエーションを増やす場合、広いスペースが必要 ・幅広い重量に対応するためには購入費用がかかる |
可変式 | ・1個購入すれば幅広い重量でのトレーニングができる ・省スペースに貢献できる | ・トレーニング前にセッティングの時間がかかる ・運動初心者は扱いにくい ・セッティング方法を誤ると事故につながる恐れがある |
ダンベルでは、10種類以上のトレーニングを行うことができ、全身のトレーニングが可能です。固定式・可変式それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、選択しましょう。
3.ベンチ
フリーウェイトエリアに必ずといって良いほど設置されているのが「ベンチ」です。
「ベンチ」の中でも複数種類があり、フラットな形状のフラットベンチから角度調整が可能な「アジャスタブルベンチ」など、多岐にわたります。
業務用のベンチは、家庭用に比べ40〜60kg以上の重量があり、クッションが硬めで弾力があるのが特徴です。クッションが硬めのため沈み込まず、耐久性に優れています。
ジムで業務用のベンチを選ぶ際には、最大使用者重量と最大トレーニング重量を確認し、ジムに設置しているバーベルやダンベルの最高重量でのトレーニングが可能かを必ず確認しましょう。
耐荷重が不十分だとグラついてしまったり、ベンチが壊れてしまったりして思わぬ事故に発展する可能性があります。
4.ラバーマットなど
ジムにフリーウェイトエリアを設置するにあたり、ラバーマットやミラーも必要です。
ラバーマットは、ジム床面の保護だけでなく、防音・防振のためにも設置する必要があります。
フリーウェイトエリアでは、EPDM(エチレンプロピレンゴム)やEVAなどの素材で作られたマットが主流で、硬度60以上、厚さ25mm〜50mm程度の製品を選ぶケースが多く、交換が容易なタイル式が主流です。
ミラーは、トレーニングフォームをチェックするために使用します。
5.プレートロードなど他製品
最新のトレンドとして、フリーウェイトとプレートローデッドマシンを組み合わせたハイブリッド型のトレーニングエリアが増えてきています。
プレートローデッドマシンは、フリーウェイトとマシンの中間的な存在で、ウェイトプレートを使用しますが、動作は一定の軌道に制限されています。
フリーウェイトよりも安全に高重量のトレーニングが可能で、軌道が一定の為、初心者の方でも正しいトレーニングが可能になります。
フリーウェイトエリアをジムに設置する際の注意点
ジムにフリーウェイトエリアを設置する際の注意点は以下の通りです。
● 人の往来が少ないフロアの奥や端に設置する
● 利用者同士が接触せずにトレーニングできるくらいのスペースを確保する
● プレートのつけ外しをする際にスムーズに動ける動線を確保する
フリーウェイトエリアは大きな事故が発生しやすい場所であるため、安全性を確保することが非常に重要です。
スタッフが不在になる時間帯があるジムでは、より一層の注意が必要となるでしょう。
まとめ
この記事では、ジム運営管理者の方に向けてフリーウェイトをジムに導入するメリット・デメリット、導入時に必要な器具、フリーウェイト導入時の注意点について解説しました。
フィットネスジムにおいて、フリーウェイトは欠かせないコンテンツの一つです。
予算・スペース・利用者層・パーソナルトレーニングの有無などによって自施設に合った器具や設置場所を検討する必要があります。
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