世界中から集まった来場者で通路は埋まり、主要ブースには常に人だかり。展示マシンの稼働音、各国の言語が飛び交う商談、そしてステージから響くBGM——FIBO 2026は、単なる展示会ではなく、“世界のフィットネス市場の現在地”そのものを体感する場になっていました。
2026年4月16~19日の4日間、ドイツ・ケルンで開催された世界最大級のフィットネス見本市「FIBO 2026」。RX Globalの公式発表によれば、総来場者数は175,173人。前年の154,748人から大幅な増加となり、過去最大規模の動員を記録しました。実際、現地にいた私たちも「去年より明らかに人が多い」と肌で感じるほどで、世界的な健康志向の高まりとフィットネス市場の力強さを、数字以上にリアルに実感する4日間となりました。
本記事では、弊社ジョンソンヘルステックジャパン視察団が現地で得た知見の中から、特に日本市場への示唆が大きいと感じたトレンドを、現地で実際に見て・触れて・感じたことを交えてお伝えします。
拡大を続ける欧州フィットネス市場 ——会員数7,550万人、収益391億ユーロへ
会場の熱気には、確かな経済的裏付けがあります。FIBO開催に合わせて発表されたDeloitteとEuropeActiveの最新レポートによると、2025年の欧州フィットネス会員数は7,550万人に到達。市場収益は前年比9.1%増の391億ユーロ(約445億ドル)を記録しており、さらなる市場の拡大が起こっています。
その中でも私たちが「今年のFIBOを象徴する潮流」と強く感じたのが、プレートロード製品の存在感の高まりです。
なぜいま「プレートロード」が世界の主流になっているのか
コロナ禍以降、ストレングストレンドの再加熱が見られており、特にプレートロード製品の市場での伸びが著しいですが、今年も変わらず、私たちフィットネスマシンベンダーの主力製品としてのポジションを誇示していました。
FIBO会場でも、ブースの一番目立つ位置にプレートロードを配置しているベンダーが大半を占めていました。「あ、ここもプレートロード推しか」——会場を一周しながら、多くのプレートロード製品に触れることができました。
なぜここまで、プレートロード製品が主流なのか?その背景には、HYROXに代表されるファンクショナルトレーニング需要の拡大、より強度の高い負荷を求めるユーザー層の増加、そしてフィットネスクラブ側のコスト効率(電装部品が少なくメンテナンス負荷が低い)といった複合的な要因があります。
そして私たちが最も誇らしく感じた瞬間が、MATRIXブースの盛況ぶりでした。手前みそではありますが、商談スペースは常時満席、世界中のバイヤーが新製品に手を伸ばし、スタッフは休む間もなく対応に追われていました。今回お披露目された「MAGNUMシリーズ」の新型プレートロード4機種は、現地で実機に触れましたが、マシンの軌道や負荷のかかり方など、「これは違う」と感じる完成度。Different and Better(他と違い、より良いもの)の設計思想と、顧客に求められる機能性が両立されており、来場者の反応も非常に好意的でした。


一方、AIテクノロジーを駆使したマシンメーカーの存在感も無視できませんでした。代表格であるEGYMのブース来場登録者数は6000人を超え、過去最高を記録したとのことで、確かにEGYMブースは常に身動きが取れないほどの盛況ぶりでした。デジタル化・AIへの関心の高さを、肌で感じる場面でした。
MATRIXブースでも、医療グレードの体組成測定機器メーカーsecaとパートナー連携し、リリース予定のMATRIX独自のAIプログラム「PACE」をお披露目しました。PACEは体組成データを起点とし、MATRIXが培ってきたトレーニングノウハウを活用して、ユーザー一人ひとりに最適化された運動プログラムを自動生成するソリューションです。「測る→分析する→鍛える」が一つの流れで完結するこの体験は、これからのフィットネスクラブのスタンダードになっていくと、現地で確信しました。
なお、MAGNUMのプレートロード新機種やPACEの詳細、日本市場への導入時期につきましては、2026年7月のSPORTEC東京にて改めてご案内する予定です。ぜひ会場で体験していただきたいと思います。

ウェルネス・リカバリー・健康長寿 ——「鍛える」の次に来る潮流


会場を歩いていて、もう一つ「ここ数年で空気が変わった」と感じたエリアがありました。ウェルネス・リカバリー・ロンジェビティ(健康長寿)領域です。
Wellnessコーナー、Work-Outプログラムエリアともに前年以上に拡充され、ただ展示を眺めるだけでなく、「参加者が実際に体験して足を止める”滞在型コンテンツ」へと進化していました。デモエリアでは順番待ちの列ができ、「鍛える」だけがフィットネスの目的ではなくなっていることを、会場全体が物語っていました。
ストレングス需要やHYROXレースの参加者が年々増加する一方で、その対極にある「整える」「回復する」マーケットも確実に立ち上がってきており、両方の側面が同時に伸びている、そんな印象を強く受けました。フィットネスクラブの提供価値が、トレーニングからライフタイム・ウェルネスへと拡張していることを、現地で強く印象づけられた4日間でした。
日本でも、徐々にこの風潮が見られつつあります。トレーニングはフィットネスクラブにおける顧客体験価値の一部であり、より包括的なサービスが今後の当たり前になっていくのでしょう。
日本のフィットネスクラブが向き合うべき、欧州市場からの示唆


4日間の会場視察を終えて改めて感じたのは、FIBO 2026の会場全体に通底していたのは「ストレングスの再定義」と「体験価値の多層化」という、2つの大きな流れだったということです。
ストレングス領域では、プレートロードがもはやニッチではなく主流カテゴリーへと押し上げられ、各社が新製品ラインナップの中核に据えています。同時に、AIとデジタルを組み合わせたソリューション提案が、単なるフィットネスマシンから「測る・鍛える・整える」を一気通貫で提供するエコシステム型ビジネスへの転換を加速させています。
また、会場では新興のアジアメーカーが数え切れないほど出展しており、毎年「また新しいベンダーが増えたか」と驚いています。市場の競争力が上がるにつれ、製品カテゴリー単位での価格競争は、今後さらに激化するでしょう。こうした環境下で日本のフィットネスクラブが選ぶべきは、単なるマシン調達ではなく、世界トレンドと整合した製品群と、長期的な運営パートナーシップを提供できるサプライヤーであると、現地に立った私たちは強く確信しました。
弊社ジョンソンヘルステックジャパンは、MATRIXをはじめとする世界基準の製品ラインナップと、FIBOで得た最新トレンドを通じて、日本のフィットネスクラブ運営者の皆様に最適なソリューションをご提案してまいります。現地で感じた熱量と興奮を、日本のクラブ運営者の皆様にもお届けできるよう、SPORTEC東京で皆様をお待ちしております。 弊社新製品の続報にも、ぜひご期待ください。


