消防署は、地域の安心・安全を守る拠点であると同時に、消防職員が日々厳しい訓練と災害対応に備える場所でもあります。
2026年に完成した川越地区消防局・川越北消防署新庁舎は、「守る・見張る・備える」をコンセプトに、防災学習施設やDXを取り入れた執務環境、女性職員が働きやすい設備など、これからの消防署に求められる機能を備えた新しい庁舎として整備されました。
さらに、定年延長や人材確保といった社会環境の変化を見据え、職員の体力維持・向上を支える本格的なトレーニングルームも新設。
今回は、新庁舎整備に込めた想いや、トレーニング設備導入の背景について川越地区消防局 財務管理課の関様にお話を伺いました。
― 新庁舎はガラスを多く取り入れた開放的で明るい印象を受けました。この庁舎にはどのようなコンセプトが込められているのでしょうか。
新庁舎のコンセプトは、「守る・見張る・備える」という消防の役割と、防災・災害情報を発信する現代の「鐘」を意味する『守の鐘(もりのかね)』です。
消防署は地域の安全を支える重要な施設でありながら、普段どのような活動を行っているのかが見えにくい施設でもあります。
そこで新庁舎では、ガラス面を多く取り入れた開放的な設計とすることで、地域の皆さんに消防をより身近に感じていただき、「近くで地域を守ってくれている」という安心感につながる、開かれた庁舎づくりを目指しました。



― 一般の方も見学できる施設になっているそうですね。
はい。
新庁舎は消防署としての機能だけでなく、防災学習施設としての役割も担っています。
計画当初から、地域の皆さんが気軽に訪れ、防災について学べる施設にしたいという考えがありました。
限られた建築面積ではありましたが、吹き抜けやロビーなどの開放的な空間を有効活用し、防災展示を配置することで、消防の活動や防災情報を”見える化”しています。 消防署を災害時だけの場所ではなく、日頃から地域とつながる場所にしたいという想いがあります。



― DXや働き方改革への取り組みも、新庁舎の特徴の一つですね。
新庁舎の整備に合わせて、業務の効率化と情報共有の迅速化を目的にDXを推進しました。
これまでは紙による決裁が中心で、修正や確認のたびに時間を要し、上席職員が不在の場合には決裁が滞ることもありました。
そこで電子決裁システムや情報共有基盤を整備し、ペーパーレス化を進めることで、意思決定のスピード向上や情報共有の円滑化を図っています。
また、執務室にはノートPCを活用しやすいテーブル型デスクを採用し、業務内容に応じて柔軟に働ける環境を整備しました。
消防という組織の特性上、現時点では固定席を基本としていますが、将来的なフリーアドレスにも対応できる執務環境となっています。



―女性職員専用エリアなど、働きやすさへの配慮が随所に感じられました。新庁舎では、どのような工夫を取り入れられたのでしょうか。
そうですね。
近年は女性消防職員も増えており、働きやすい職場環境の整備は重要なテーマの一つです。
新庁舎の整備にあたっては、女性職員へのヒアリングを行い、実際の意見を取り入れながら計画を進めました。
24時間勤務という消防の勤務形態を踏まえ、仮眠や休憩、身支度を一体的に行える女性専用エリアを設けるなど、安心して勤務できる環境づくりを意識しています。
また、災害発生時には迅速な出動が求められるため、女性用施設から車庫までの動線にも配慮しました。
働きやすさと消防活動の両立を考えた設計になっています。




―消防職員の体力維持・向上を支えるトレーニングルームを新設された背景を教えてください。
消防活動では、あらゆる現場で高い身体能力が求められます。
一方で、定年延長や少子高齢化による人材確保など、消防を取り巻く環境は大きく変化しています。
これまでは体力づくりを職員一人ひとりの自主性に委ねる部分もありましたが、これからは組織として継続的に体力維持・向上へ取り組める環境が必要だと考えました。
そこで、新庁舎の整備を機に消防職員の体力維持・向上を支えるトレーニングルームを新設しました。
特に意識したのは、ベテラン職員から若手職員、さらにトレーニング経験の少ない職員や女性職員まで、誰もが安全に利用できる環境です。
現場で求められる体力を維持するためには、継続して取り組めることが何より重要です。
そのため、「一部の人だけが使う施設」ではなく、職員全体の体力づくりを支える場所として整備しました。

―消防署のトレーニング設備に求められるポイントとはなんでしょうか。
職員が毎日利用する設備だからこそ、最も重視したのは「安全に、そして継続して利用できること」でした。
職員は年齢も経験もさまざまです。定年延長に伴い、これまで以上に幅広い年代の職員が利用することを想定していたため、トレーニング経験の有無に関わらず、誰もが安心して使える設備であることが重要でした。
また、公共施設は長期間にわたり運用していく施設です。そのため、導入時の性能だけではなく、耐久性や品質、長期にわたる保守体制も重要な選定基準としました。
そのうえで、限られたスペースを有効活用できるよう、各部位をバランスよく鍛えられるストレングスマシンを中心とした構成としています。
トレッドミルなど長時間占有されやすい設備を多く配置するのではなく、より多くの職員が効率よく利用できる環境を重視しました。
職員一人ひとりが、それぞれの体力や目的に合わせて継続的にトレーニングに取り組めることを大切にしています。


―数あるメーカーの中からMATRIXを選ばれた理由を教えてください。
機器を比較検討する中で、製品ラインナップの豊富さはもちろん、限られたスペースや予算に応じて柔軟にレイアウトを検討できる点が大きな魅力でした。
また、公共施設では長期間にわたって安定した運用を続けることが求められます。
そのため、耐久性や保守体制に加え、多くの施設で導入されている実績があることも安心材料の一つとなりました。
長く安心して運用できることまで含めて検討した結果、今回の設備構成につながっています。

―実際に導入されてから、職員の皆さんの反応はいかがでしょうか。
職員からは、
「限られたスペースでもさまざまなトレーニングができる」
「トレーニングの幅が広がった」
「短時間でも効率よく身体を鍛えられる」
といった声が多く聞かれています。
また、可動部分にカバーが設けられているなど、安全面にも配慮された設計となっているため、これまで本格的なトレーニング経験が少なかった職員でも安心して利用できています。
日々の訓練や現場対応に加え、体力づくりにも継続して取り組める環境が整ったことは、大きな成果だと感じています。


―導入にあたり、ジョンソンヘルステックジャパンの対応はいかがでしたか。

施設規模や利用目的を丁寧にヒアリングしたうえで、限られたスペースでも効果的に活用できる設備構成を提案していただきました。
特に、完成イメージを具体的に共有するためのレイアウト提案やパースの作成は、設備選定を進めるうえで非常に参考になりました。
打ち合わせでも、こちらの意見をその場で反映しながら一緒に検討を進めていただき、専門的な知識が十分ではない中でも安心して計画を進めることができました。
単に機器を提案するだけではなく、施設づくり全体をサポートしていただいたという印象があります。
―最後に、これから同様の施設整備を検討される自治体や組織へメッセージをお願いします。
トレーニング機器は、導入時の価格や性能だけで判断するのではなく、長期的な視点で選定することが大切だと感じています。
実際に、他の施設では故障後に部品供給や修理対応が難しくなり、十分に活用できなくなっている事例も耳にします。
公共施設では、長期間、安定して利用できる環境整備が求められます。
耐久性や保守体制まで含めて検討し、長期間安心して使い続けられる環境を整えることが重要ではないでしょうか。
地域の安全を支える、その先へ
川越地区消防局・川越北消防署新庁舎は、「守る・見張る・備える」というコンセプトのもと、防災学習施設やDX、女性が働きやすい環境、そして職員の体力づくりまでを見据えた、新しい時代の消防署として整備されました。
消防活動を支えるのは、人の力です。そして、その力を維持し続けるためには、日々安心してトレーニングに取り組める環境が欠かせません。 ジョンソンヘルステックジャパンは、フィットネスクラブだけでなく、消防・警察・学校・大学・医療施設・公共施設など、それぞれの目的や利用環境に合わせたトレーニング空間づくりをサポートしています。
担当営業:営業4部 伊藤 圭

【施設情報】
川越地区消防局・川越北消防署
〒350-0823 川越市御成町1番地1


